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「この季節、東京の湯島天神と聞いて思い出すのは、合格祈願の絵馬と梅まつりだ。梅の便りが届くのは、まだ少し先だろうか。
参拝の後の一休みにおすすめしたいのが、創業75年の和菓子店「つる瀬」である。名物は「ふく梅」。白あんに梅じそを加えて桃色に染め、ういろうで包み、上に小梅の梅干しを飾っている。
ふっくらとした姿が、福々しい。なんだか、いいことがありそうな気がする。全体がほわんと桃色に見えるのは、中のあんが、ういろうから透けて見えるからだ。
ういろうというと、ようかんのように切ったものを思い浮かべる人がいる。しかし、やわらかく伸びて細工しやすい生地なので、こんな風にお菓子の一部に使われることも多い。
中のあんは、あっさりとした甘さで、ほのかにしその香りがする。ここに小梅のほどよい酸味、塩気が加わって、なんともいえないハーモニーが生まれるのだ。小梅が味の決め手なので、塩の抜き加減、大きさなどに気をつかい、吟味しているそうだ。
この菓子は、4年前の菅原道真公千百年大祭の折に、献菓したものである。評判をとって定番商品となった。菓子を作るとき、梅干しの種を抜くかどうかで頭を悩ませ、結局、入れることにしたという。東京だけなのかもしれないが、梅の種の中にあるしんの部分を、俗に「天神様」と呼ぶ。ふく梅にはちゃんと天神様がいらっしゃるというわけだ。
店の裏手の工場をのぞくと、小豆を煮る、やさしいにおいが流れてきた。職人さんが木型でふく梅の形を整えている。熟練の手が梅の丸みをすばやく作っていく。並んだふく梅がほほえんでいる。
手で量り、のばし、こねて作るからこそ、和菓子には温もりがあるのだろう。」
YOMIURI ONLINEより引用
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/food/kanmi/20060202gr04.htm